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 関係ないかもしれないけどブロンを飲んだその日の夜。

 久しぶりに妹の夢を見た。わたしの妹は4歳3ヶ月でがんで亡くなった。もうどこにもいない妹だ。わたしにとってはたった1人の妹。わたしが名付け親ですごく大切な存在。妹はすごく優しい子だった。わたしが姉にいじめられているのをいつも庇ってくれたし、泣いていると頭を撫でて慰めてくれた。

 今日見た夢は、最初はすごく楽しかった。妹を抱きしめたりいっしょに遊んだりして。でも妹が習い事に行かなきゃいけないらしくて行ってしまった。それから親にこんなに雪が降って寒いのに行かせたのか、と怒られ迎えにいくことになった。迎えにいくと雪が降っているなか妹は1人で立っていた。妹はすごく悲しい顔をしていた。わたしはああ、見つけられてよかったと安心して抱きしめた。そして抱っこして車に乗せた。自分が車に乗ったとき、妹の姿は無かった。妹の持っていた物だけになっていた。わたしはそこで初めて、妹はもういないということに気づいた。

 そこで目覚めた。起きた時はその夢のことをすっかり忘れていたけど、お母さんに車で学校まで送ってもらっている間に思い出せた。お母さんに話すときっと妹が心配しているんだよ、と言った。でも、わたしはそれよりも夢で妹を抱きしめたときの満足感と幸福感でいっぱいになっていた。でも、それも一瞬だけだった。はっと気がつくと自分の中には虚無感しかなかった。もう二度と味わうことのない幸福感だ。ああ、明日、いや今すぐに、わたしを消してくれ。もうなにも考えていたくない。一生で償いきれない罪の重さ。そうだ、わたしは恵まれているのに死にたいんだ。